衝動的に会いたくなる人がいる。
2月はじめ、親の用事で生まれた街に出かけた。ふと、小学校の5、6年年だったときの担任の先生に会いたくなって、だいたいの住所を手がかりに車を走らせた。
家には数年前に届いた年賀状があって、詳しい住所が書かれている。しかし、急に思いたったものだからそんなものは持ち合わせていない。
近所の交番で名前を伝え、家を探してもらった。交番に貼ってある地図にはちゃんと名前が書いてあるので、今もそこに住んでおられることは分かった。
家の前、チャイムを数回鳴らした。けど、静か。留守のようだ。数分前から小雨が降っていて、ガレージには車が停まっていた形跡(車の形にコンクリートが乾いていた)があった。
ちょっとしたタイミングのずれで、会えなかった。
ま、急に来られても先生も困っただろうけど、少しショックだった。とりあえず今の職名が入った名刺に携帯の番号を書いて玄関ドアに挟んで帰ってきた。
その日、その夜、電話が鳴ることはなかった。
それから1ヶ月。
結婚式の披露宴に使うDVDを作るのに古いアルバムをひっくり返していたら、小学校の時の写真が出てきた。みんなが囲み中心に、あの先生の顔も写っている。
そう、この先生がいなかったら、今の仕事はしてなかっただろう・・・。38年間教員を務めようとすると、今がその半分。その折り返しに指導主事という仕事をさせてもらっている。後半分をどう過ごすか、なんとなくその先生と話したかった。
教頭や校長になって・・・というより生涯一教師というタイプの先生だ。
そんなふうにアルバムから写真をはがしていると、知らない携帯電話から電話が。ビックリした。あの先生からだった。
相変わらず声が力強い。そんな若い声に「先生、今いくつですか?」と尋ねると、「今年で定年、今6年担任をしている」とのこと。予想通りだ。
いろいろと話したいことが会ったのに、いざ電話でとなるとなかなか話しにくい。ふつうの会話で電話を切ってしまった。
とにかく、先生が電話をくれただけでも嬉しかった。けど、ホントにいつか会いたい。またそんな思いが強くなった。
なんだか、いいこととつらいことが繰り返す毎日に、何か新しい道が見えてきたかも。
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